【IoT用語集】レーザーレンジセンサーとは?

【IoT用語集】レーザーレンジセンサーとは? – 記事

はじめに

レーザーレンジセンサーは、三次元の座標軸を用いて、ものの空間の中での位置を測ることができるセンサーです。レーザー光線の反射などの仕組みにより測位することができるセンサーで、測域センサー3Dスキャナとも呼ばれます。ものの位置だけでなく、形も測定可能であり、どんな形にも対応可能です。

特徴と仕組み

1.ものの位置を3次元で把握
測位の仕組みですが、レーザー光線を使うことを大きな特色としています。レーザー光線の反射を基準光線との対比で用いる測定方法や、レーザー光線の飛行時間(飛行時間測定法)をつかって測定する方法、ホログラフィー法といった、直線的なレーザー光線をいわば物差しにすることと、光線の揺らぎの組み合わせにより位置関係を把握する方法などがあります。

2.正確な測位
さらに、三角測距の方法をとって、三方向から測量データを計算、誤差を検証できる仕組みなので、測位データは非常に正確なものになります。

3.広範なカバー範囲
レーザーが届く範囲が測定の限界となりますので、きわめて広範囲をカバーすることが可能です。たとえば、ビル一棟・火山一つといった大きな対象物を対象として測位が可能になります。

4.曲面・凸凹面など形状を問わず測位可能
また、レーザー光線は、形を問わず照射が可能ですので、どのような形状の者でも、測位が可能です。さらに、1万を超える地点の位置関係も瞬時に把握することができるため、複雑な形状で、大型の対象物も、時間をかけずに正確に測位できます。この特徴から、個体識別に応用するソリューション例もあります。

5.ものの大小を問わず測位可能
ビル・火山のような大きいものについては前述の通りですが、これに対して、たとえば霧やガスといった気象観測の対象も粒子の一つ一つまで測位が可能です。

6.明暗を問わず測位可能
暗い空間の中では、赤外線のレーザー光線を用いて測位が可能です。

7.360度スキャンが可能
鏡面を360度回転させ、あるいは多面体の鏡を用いることにより、360度のスキャンが可能です。スキャンにより取り込む測点データが極めて多数であり、データが精密になります。

レーザーレンジセンサーとMMSの関係

レーザーレンジセンサーもモビールマッピングシステム=MMSも、測量に利用され、3Dの測位が可能であることでは共通しています。

MMSは、レーザーレンジセンサーを測位のために用いています。レーザーレンジセンサーの技術をもとに、カメラ、GPSを組み合わせて、映像による地図製作や測量を可能にしています。レーザーレンジセンサーは、モビールマッピングシステムが移動体からの測位・撮影を行うのに対して、動くことを予定したものではありません。

ですので、GPSは通常利用しません。測量・地図作成の分野では、レーザーレンジセンサー単体ではなく、MMSをシステム一式で導入する場合が多いようです。

レーザーレンジセンサーの利用分野

レーザーレンジセンサーは、次のような分野で使われています。近時は小型化が進んでいることから、複数のレーザーレンジセンサーを用いるMMSや、多地点の同時測位などを行い、測位精度を高める工夫がなされています。

  • 測量
  • 地図作成
  • 道路交通安全
  • 港湾管理・施設保全
  • セキュリティ
  • ビル内などの安全管理
  • 気象観測 など

レーザーレンジセンサーの実装例

レーザーレンジセンサーが実装されている主だった場面をいくつかあげます。

  • ファクトリーセーフティーやファクトリーオートメーション
    工場内の安全のため、フォークリフトの障害物を検知し、運転者に知らせ、操業ラインの立ち入り禁止区域に誤って立ち入った際の検知や産業用ロボットの誤操作検知を行うなど、工場内の安全や業務の効率化に役立てるための利用が行われています。

  • 道路の安全を管理する
    道路や歩道橋の要補修箇所の探知や、道路の凸凹の検知など、道路の安全管理のために利用されます。

  • 乗用車の衝突防止装置
    道路状況を人の目で見るのではなく、レーザーレンジセンサーで確認する後進時の衝突防止装置が大型車・バス・乗用車にはすでに多用されています。自動運転が将来実現されるようになる際には、レーザーレンジセンサーが駆動時全般の衝突防止装置として利用されることになる見通しです。

  • 火山、地すべり地帯など危険地帯での気象観測および異常検知
    無人の施設にレーザーレンジセンサーを置き、火山の様子や、地盤のゆるみ、ガスなどの観測を安全に行うことが可能になっています。

  • 交通量の計測
    人、車などの交通量をレーザーレンジセンサーで測定し、より適切なう回路その他経路の案内が行えるようになっています。レーザーレンジセンサーが個体識別を得意としている点を利用しています。

まとめ

1990年代後半に技術を確立したレーザーレンジセンサーは、改良と応用例の開発を通じ、現在では自動運転の見通しを開く重要な技術として注目されています。特に、障害物の探知と衝突抑制といった安全の本質にかかわる機能を担うことが期待されていることから、今後も注目が集まりそうです。

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