【IoT用語集】プローブデータとは?

【IoT用語集】プローブデータとは? – 記事

はじめに

プローブデータとは、センサーを積載した自動車を走らせて得られる自動車1台1台から取得される運航実績データのことでたとえば、GPS・加速度センサー・ジャイロセンサーによって得られた情報のことです。緯度経度・車両ID・速度・自動車の挙動のようなデータがプローブデータとして大量に蓄積され、ビッグデータとして活用されています。

蓄積されたデータの利用までのスピードが非常に早くなってきて、リアルタイムデータとしても活用されています。たとえば、東日本大震災の交通の分断状況を最も詳しく、早く伝えたのが、このプローブデータであったといわれています。

構成要素

車両で取得されるプローブデータの構成要素としては、下記のような要素が挙げられます。位置情報・速度情報・急ブレーキ情報・自動車の挙動情報・運転者の属性情報、これに、例えば天候・曜日・イベント別・道路の渋滞状況別といった情報を組み合わせて活用します。

さらに、交通管制システムのセンサーであるVICSやETCで取得される情報や通信機器を兼ね備えた車であるコネクテッドカーの場合、外部DB情報も組みあわせることができます。

上記のような情報をどのように組み合わせるか、そして何に役に立てることが可能なのか、情報には無数の組み合わせがあります。そこで、現在プローブデータの研究開発は、取得技術より、活用技術・活用のためのシステムの開発といったところに現在力点が置かれています。

プローブデータのサービス提供には、プローブデータ取得システム・分析システム・サービス提供のためのアプリケーションと三層の構造を要しますが、後二者の開発が昨今盛んです。

利用目的

主な利用目的としては、

  1. 交通安全・事故予防
  2. 渋滞の解消
  3. 道路管理
  4. 省エネルギー、有害物質の排出削減

といった道路行政・交通課題の解決目的での利用です。プローブデータの利用は、これまでほぼ、この3つから派生しているとみられます。以下に典型的応用例を見ていきます。

応用例

1.事故危険個所の原因分析や抽出
ETC2.0の活用に関する国土交通省北陸地方整備局の提案資料がインターネット上でも閲覧可能で多彩な事故防止のための検証データを提供しています。

同資料は、急ブレーキ箇所・渋滞箇所・走行ルートの特定および天候の特定を通じて、発生事故の事故類型の整理原因究明と潜在的危険個所の抽出を行ったもので、プローブデータの典型的な応用例です。標識の適正化についても、国交省側で想定している走行ルートと、実際の走行ルートにずれがあることを指摘し、改善に向けたデータを提供しています。

2.高精度の経路案内の提供による正確な旅行時間の予測
車で目的地まで行くということになると、電車よりも見通しが立ちにくいことが難点です。そこで、正確な経路案内情報を他の交通機関での目的地到着時間とも比較できる形で提供するサービスのシステム開発が行われています。

ITSが開発したPROROUTEなどがこれにあたります。プローブデータをリアルタイムデータ・蓄積データと二種類で利用する特徴をもちます。天候データとも組み合わせて、予測到着時間の精度を上げています。

3.プローブデータを利用した地図作成・道路位置ずれの補正
GPSは、精度の高い道路地図の作成にも応用が可能です。道路の地図上の位置のずれを緯度経度データをもとに修正する作業が行われています。

道路上のセンサーと、車両のプローブデータの連携を行い、各国でデジタルマップを作成しています。最近の日本の大学発の研究成果では、地図データは自動更新ができるようになっています。

4.省エネルギーで走行できるルートの探索
ホンダ車に搭載されている通信機器の例ですが、プローブデータを取得したうえ、プローブデータ以外のデータを集積するDBとの連携により、最短ルートを提供しているほか、最も燃料電池の消費が抑えられるルートについても情報提供ができる仕様になっています。

5.緊急・救急車両への最適ルートの提供
一刻を争う対応をする緊急・救急車両に最適ルートを案内するシステムが各自治体で利用されていますが、ここにもプローブデータが組み合わされ、情報提供されています。

プローブデータのさらなる活用へ

コネクテッドカーの登場により、プローブデータも外部DBとの連携が簡単におこなえる時代に入り、プローブデータも上記の目的をこえてマーケティング・有料サービスの提供目的に使えないか、可能性が各業界で模索されています。

また、学生によるビジネスコンテストもこの分野では盛んです。パイロットケースや少数の実例しかありませんが、通った場所に応じてカーナビ等でクーポンが取得できるサービス・運転時間と危険に応じた検診および健康管理サービスや保険サービスなどが挙げられます。

まとめ

プローブデータは、コネクテッドカーの時代に入ってますます、多方面で活用されることが期待されています。

また、省エネ等環境課題解決目的に利用する方法はこれからも進化しそうです。今後の動きに注目が集まります。

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