【IoT用語集】モビールマッピングシステム(MMS)とは?

【IoT用語集】モビールマッピングシステム(MMS)とは? – 記事

はじめに

モビールマッピングシステム=Mobile Mapping Systemとは、車載に搭載された測器により、位置関係を立体的に把握しながら道路や周辺の3次元座標データと連続映像を取得するシステムです。
au、softbank、NTTドコモなどの携帯会社で提供されている、eメール(MMS)とは異なりますので、ご注意ください。

システムを構成する技術として、レーザースキャナー、GPS、デジタルカメラが組み合わされており、これらの技術で、データと映像・画像を取得します。従来の道路計測技術と比較すると、人に対する交通の危険が少ない環境下で交通規制を行うことがなく計測が行えることが大きなメリットとなります。

加えて、誤差がほぼない状態で、検索された道路およびその周辺のデータを正確に収集できるといったメリットもあります。

モビールマッピングシステムの特徴

車両により走行しながら、搭載された360度のデータが取得できるデジタルカメラとレーザースキャナーで映像をスキャニングし、建物や道路の形状、標識、ガードレール等の道路および周辺の情報を取り込みます。GPSにより、位置情報が提供されているのでなにがどこにあるか、位置に照らして、正確なマッピングが可能です。

これらのデータに依拠しつつ、用途別に用意された後処理ソリューションを使うことと、道路台帳や高精度な3次元地図等のデータベースのほか、使い方に合わせたデータ編集・作成が可能になります。

MMSの取得する位置情報データは、絶対精度が誤差10センチ以内、相対精度は誤差1センチ以内と極めて高い精度となっています。技術的には、GPSの精度がもともと高いことや重畳的に連続した映像を解析、面座標パラメータを用いて、アプリケーションソフトウェアにより誤差を補正できることによるものです。

モビールマッピングシステムの業界・用途事例

モビールマッピングシステムは例を挙げると、下記の業界・用途において利用・使用されています。

  1. 測量業界 道路測量 東日本大震災における災害調査 道路現況調査 など
  2. 地図業界 道路台帳作成 カーナビマップデータアップデート など
  3. 建設業界 トンネル・地盤の調査、空港修繕工事準備調査 など
  4. 建設土木コンサルティング業界 景観調査 地盤沈下調査 標識調査サポート など
  5. 自動車業界 自動走行運転支援 VR空間での車両運動シミュレーション など
  6. インフラ業界 送電線等のケーブル調査 工場内設備調査 など

そのほか、取得したデータを航空機のレーダーによる管制データや鉄道のデータと統合するのも利用の例です。

また、路上危険予知・予測などリアルタイムデータの利用も模索されています。VRにとどまらず、車両運動の調査データは、自動運転車両用「ダイナミックマップ」に活用することも考えられます。今後の活用範囲がさらに多方面に広がることが期待されています。

モビールマッピングシステムのベンダー

モビールマッピングシステムを最初に日本市場で実用化したのは、三菱電機です。同社はMMSのハードウエアを製造し、地方自治体の道路台帳プロジェクト、道路管理プロジェクト、国交省の新技術活用システムへの参画およびデータ提供など日本の代表的なMMSを用いた公共プロジェクトの受注に成功しています。

データ処理のための後処理ソリューションに用いるシステムは、アイサンテクノロジーやパスコ製が主要なものであり、三菱のMMSと連携して用途に合わせたデータ処理が可能になっています。

さらなる活用へ 課題の克服

MMSにより取得されたデータは、全国津々浦々の道路上のデータを収集するに至っていません。それでは、自動運転用ダイナミックマップの作成にはデータが足りません。MMS普及率のアップがベースになっている課題ですが、そのためには次のような課題が前提として克服されるべきものと考えられます。

①小型化・低コスト化 
どんな車にも搭載されやすくする必要があります。また、最低数百万という料金も普及の足かせです。この点、着脱式のMMSの登場や、カメラの小型化・台数の削減を思い切って図ったMMSライト(2017年東京モーターショー出品)の広がりに期待がかかります。

②リアルタイム化 
ダイナミックマップが道路の状況を即時に反映でき、AIにより危険が予測できれば、自動運転車の安全性も高まることでしょう。リアルタイム化のカギとなる技術がGPSです。いったんMMSで収集されたデータを衛星に送信し、ナビゲートするといったソリューションが検討されています。

③精度アップ 
②と関連しますが、自動運転車のリアルタイム・ダイナミックマップが要求する精度にGPSは足りないとされています。GPSそのものが、メートル単位の誤差が生じないように改良される必要があり、人口衛星のアップデートが必要になっています。

④他のサービスとの融合 
データの取得・利用をリアルタイムで行うには、iPhoneなどの携帯電話・カーナビといったデバイスとこれらのデバイス向けサービスとの融合を考えたほうが効率的です。この点も今後の展開に期待がかかります。

まとめ

モビールマッピングシステムは、現在でも多方面の活用事例が見られますが、当面は自動運転用の地図データを十分に作成できることが目標になっています。現在のMMSの姿がどのように変わるか、また、課題を克服できるのか、注目が集まります。

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