【IoT用語集】UAVとは?

【IoT用語集】UAVとは? – 記事

はじめに

UAVとは、Unmanned Aerial Vehicleの略称で、無人航空機のことを指します。通称はドローン(drone)です。

軍事用・民間航空機それぞれ実用に供されており、とくに軍事用は、第二次世界大戦末期から無人機の開発と実用化が行われて約70年の歴史があります。現在では、UAVをつかったITサービスの提供が各国で模索されているところです。

UAVの概要

UAVは、「ラジコン飛行機」「ロボット飛行機」とよばれることもあるように無線による操作や搭載コンピューターにプログラミングを施して無人でも飛行可能になっています。UAVには、プロペラがあるものとないものがあり、前者は「マルチローターヘリコプター」と呼ばれて区別されることもありますが、UAVの中にヘリコプター型の機体も含めて定義することが通常です。

第二次世界大戦中の開発当初は、軍事目的で利用されており、パイロットの命を危険にさらさずに敵陣に攻撃することを可能にするアイディアを実現するものとして開発研究が行われ、実用化されたものです。

軍事用UAVには、攻撃用・訓練の際の標的用・偵察用といった用途があります。これに対して、民間用UAVは、測量・農薬散布・調査等に用いられ、前者にはプロペラが用いられない機体が多く、一方後者は、プロペラがある軽量の機体が主流になっています。

UAVの民生利用

 

〇ドローンブーム以前
UAVの民生利用の実用化は、1960年代のラジコン飛行機の農薬散布用の利用により実現され、その後、架線工事や測量など、産業用に用いられるようになりました。

しかし、騒音や燃料代・メンテナンス費用が割高であるとの問題を抱えており、なかなか目立った普及もなく、さほど注目もざれずに長い年月が経過しました。一方、ホビー用のラジコン飛行機は、大人の高級志向の趣味として一定の認知がされており、ファンを引き付けて続けてきました。

〇ドローンブーム
UAVは、機体の小型化・丈夫で軽い素材による軽量化が進みました。そしてプログラミングであらかじめ飛行経路を決めておく、オートパイロット技術の進歩により、ついにラジコン飛行機やロボット飛行機が「ドローン」として日本市場でも認知されてブームとなりました。

〇ドローンビジネス本格化
民生用UAVの用途は、先にも述べた通り、従来から農薬散布用・河川工事・測量などの分野での利用がありました。人間の手よりも信頼性が高く、かつ、人間の安全が確保されることから、特定の分野において一定程度の普及がありました。

UAVがドローンとよばれ認知度が高まったきっかけは、2010年からの空中撮影用ドローンの登場(小型のマルチローターヘリコプターにiPhoneを搭載して自動撮影を行うもの)です。

さらに、2015年はドローン元年といわれ、空撮用のドローンもDJIのPhantomのように大幅に長時間撮影と飛行が可能になったモデルが登場しています。そこで、一気にソリューションの検討が盛んになりましたが、例を挙げますと次のような用途で開発および実用化が始められています。

  • 輸送 
    米国Amazonや、米国のピザチェーン店の一部ではすでにサービスが始まり、配送にドローンが利用されています。救急輸送として、日本の中山間地向けにAEDをいち早く必要とする人に届けるサービスも実用化が近いサービスとされています。
  • 地図および地図アプリの制作のためのデータ収集・調査用 
    Appleは、Googleの擁するGoogle Earthにこの分野で後れを取っていますが、ドローンによりデータを収集・地図情報を更新するサービスの導入と運用により巻き返しを図ろうとしています。特に建物内の地図情報を充実させる予定とのことです。
  • 環境保護活動用 
    無人島の国立公園の中で増えすぎたヤギをドローンで位置情報を確認しながら捕獲を行った韓国国立公園公社の例、調査捕鯨なしにクジラの生態データを集めるアメリカの環境保護団体の例などがあります。人の手により同様の作業を行うことが双方とも難しい例です。また、中国のPM2.5を除去するドローンの開発等にも注目が集まっています。

ドローンマーケットの規模

日本では、ドローン市場の規模が2015年度で約175億円でしたが、2022年では2116億円に達することが見込まれています。7年間で市場規模が約12倍にもおよぶ産業は、少子高齢化の進行の中で、大変貴重ということができます。

問題点

〇安全性 
首相官邸にドローンが墜落したことに見られるようにドローンは、長時間の飛行ができず、燃料が切れれば落下してしまうことから飛行には安全性の問題点があります。2015年成立の新航空法、翌年のドローン規制法の成立・施行により、首相官邸をはじめとする国の重要な施設等上空には飛行禁止区域が設定されています。

〇データ収集とプライバシー 
ドローンには、自動撮影のように無人で個人情報を収集できる機能が付いているもの多くあります。便利である反面、個人のプライバシーを侵害するものになりかねない点が問題です。

まとめ

ドローンビジネスは、短期間に大きく成長・拡大することが見込まれています。その一方で安全性・プライバシーと衝突を起こすようなビジネス利用が問題となります。

今後もベンダー・ユーザー双方、これらの問題点につき注視しつつ、適切なUAV利用について議論する必要があると考えられます。