【海外展示会2018】Conventor Inc.:独自のソリューションで開発をサポート | SEMICON WEST

【海外展示会2018】Conventor Inc.:独自のソリューションで開発をサポート | SEMICON WEST – 記事

Conventor Inc.アメリカノースカロライナ州ケアリーに本社を置き、半導体プロセス技術とマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)を開発する自動設計ソリューションを提供しているグローバル企業です。1996年に設立され、今年で12年目になります。現在、アメリカに3か所、フランス、そして日本の世界5か所にオフィスを置いています。
Conventorは総合デバイスメーカー、メモリーサプライヤー、ファブレスデザインハウス、独立した製造者、及びR&D組織に対し、サービスを提供してきました。
今回SEMICONの会場にて、その独自の技術について、詳しくお話を伺ってきました。

独自のプラットフォームで時間とコストを削減

現在、FinFET、3Dメモリ、BEOLパターニングを含む半導体プロセスの進歩により、開発の複雑さが大幅に増加していると言われています。その結果、技術開発に対する従来のビルド&テストといったアプローチは、コストがかかり過ぎてしまっているという背景があると担当者の方は言います。
それに対し、ConventorのSEMulator3Dと呼ばれる独自の3Dモデリング及び解析プラットフォームは、迅速で正確な「仮想製作(Virtual Fabrication)」ソリューションを提供してきました。
この技術を使用することでエンジニア達は、開発の早い段階で製造効果などを理解することができ、結果として、シリコン実験に伴う開発サイクル時間とコストを短縮することが出来ます。SEMulator3Dによって企業は、バーチャルに製造されたウエハを開発に活用できるので、より早く生産を開始するための新技術を導入することが出来ると言います。

実際のウエハ設計vs3Dデザイン どちらを選びますか…?

SEMulator 3D:2つの技術を活かしたモデリングプロセス

従来のプロセスモデリング方法は、モデリングのパフォーマンス上の限界の為に、個々のデバイスに限定されていました。それに対し、SEMulator3Dは非常に効率的な物理駆動ボクセルモデリング技術に基づいて、幅広い単位プロセスステップをモデル化することが出来ます。
各プロセスステップはわかりやすく、較正するための入力パラメーターもわずかで済む点も特徴です。実際の工場と同様に、ユニットプロセスパラメーター(デポジションの一致、エッチングの異方性、選択性など)は、相互に作用し複雑な方法でデータを設計し、最終的なデバイス構造として反映されます。
また、SEMulator3Dはボクセルモデリングと表面展開の2つの技術を使用しています。
ボクセルモデリングには、幾何学的なユニット別のプロセスステップをモデリングするのに効果的です。例としては、リソグラフィー、スピンオンデポジション、ウェットエッチングなどが挙げられます。
このように、SEMulator3Dは複雑で、物理的なステップに最適なモデリング手法であると言えるでしょう。

SEMulator3D:ビジュアライゼーション(視覚化)

「SEMulator3Dは、ただの3Dビジュアライゼーションではありません」と担当者の方は言います。
SEMulator3D Viewerはプロセスのすべてのステップで仮想デバイスモデルの3Dレンダリングを表示する機能があります。ステップごとの視覚化は、プロセスの故障モードやそのほかの複雑なプロセス現象を理解するのに役立てることが出来るのだそうです。構造計測、形状検査、電気的解析、デバイス解析といった、精密な計測結果をデータ上から拾うことが可能です。他にも、プロセスステップの自動アニメーションやMicrosoft PowerPointへの自動エクスポートといった機能も備わっています。

SEMulator3D:分析

SEMulator3Dのアドオンコンポーネントは、SEMulator3Dから直接プロセス変動の統計分析を自動化する機能を備えています。新しいアナリティクスユーザーインターフェースは、モンテカルロプロセス分析を含む様々な手法を使用して、大規模な統計実験の設計、実行、分析もガイドします。自動多変量回帰(Automated multivariate regression)は、重要なパラメーターを識別し、プロセス変動への影響によってランク付けする際に使用されます。

【分析モジュールを使用したプロセス変動の統計的調査のイメージ】

左から、予測プロセスモデル→変動実験の構築→実験の実行→統計結果の分析

SEMulator3Dを使うメリットとは

このように、様々な機能によって、開発を強力にサポートすることが出来るSEMulator3Dですが、メリットをまとめてみました。

  • コストと時間のかかるシリコンラーニングサイクルの削減
  • 製造前のプロセス問題を特定
  • 実際の製造現場で実現が不可能なばらつき実験の実施
  • 技術開発のあらゆる段階で、3Dモデルを活用
  • 複数の使用事例とアプリケーションの為の柔軟なプラットフォーム
  • 複雑さや技術に関係なく、あらゆるプロセスやレイアウトに適用可能
  • 設計と統合されたプロセスフロー間の相互作用の予測

進化し続けるSEMulator3D

SEMulator3Dは2017年度にUBM ACE Awardのファイナリストにも選ばれています。
改良に改良を重ね、進化し、現在は、SEMulator3D 7.0が最新バージョンとなっています。

このバージョンでは機能、性能、生産性が向上している他、新しいデバイス解析機能が加わっています。新しいデバイス解析機能では、トランジスタの電気的特性を抽出し、デバイス動作時のプロセス変動を探索することが出来、SEMulator3D内で直接行えるようになっています。
このアドオン機能によって、パターニング・スキームや、許容されるユニットプロセスのバリエーションなど、プロセスを統合することがどのようにトランジスタ・デバイスに影響を与えるかを確認できるようになりました。
生産性の向上に関しては、新しいキャリブレーション機能の追加、新しいビューアーとレンダリングエンジン、新しいネットリスト抽出機能が加っています。
また、新しい3Dメッシュエクスポートと呼ばれる機能により、マテリアルインターフェイスやフィーチャーエッヂなどの複雑な3D構造の正確なモデリングの際に、高性能のメッシュを生成することも可能になりました。
更に使いやすく、開発の現場で活かせる機能が加わっています。

なお、このSEMulator3D 7.0は、米国、欧州、台湾日本韓国中国の主要半導体企業において導入予定とのことでした。

ソリューション活用例

現在、このMEMS設計ソリューションは、スマートフォン、タブレット、ゲームシステム、自動車、航空宇宙、様々な産業、防衛、家電製品向けのMEMSベースの製品開発に使用されているそうです。Conventorのソリューションは様々な国で活用されていますが、世界の半導体及びMEMS企業は、SEMulator3Dを次のような用途で使用していると言います。

  • まだ工場では実施に至っていないプロセスのテスト
  • デザインルールの検証―歩留まりを制限するプロセス感度のデザインチェック
  • プロセスウィンドウの特定と、インライン仕様の決定
  • 3Dモデルを活用したデバイス設計
  • ウエハ特性評価
  • 欠陥解析
  • 複雑なフローの予測3Dドキュメントの作成 ほか

現状様々な分野と技術に取り入れられて、評価されているこのプラットフォームですが、担当者の方も「本当に素晴らしいシステムで、必ず開発の助けになります。今後、MEMSビジネスへの導入を検討されている企業があれば、是非ご相談ください」と、かなり自信を持って勧めてくださいました。

最後に

移り変わりと流れの早い業界において、どれだけ効率よく、スピードを持って開発を進めるかは、物作り企業にとって製品開発の要であると思います。そのような状況下で、容易にかつ確実な形で、仮想を仮想以上のものにするConventorのユニークな発想とソリューションは、今後半導体のみならず様々な業界の開発スピードを上げ、より開発を活性化する要因になると違いないと感じるブース訪問でした。

SEMICON WESTとは

北アメリカにおける、グローバルマイクロエレクトロニクス産業の国際展です。出展者数はおおよそ690社、約30,000人の人が訪れる展示会です。このイベントでは、半導体機器の市場に焦点を当て、通信、生産、部品、製品、新技術、サービスなど、半導体市場を中心とした企業が一同に集まります。
今年は2018年7月11日から13日までMoscone CenterのSouth、Northの二か所にて開催されました。

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