【IoT用語集】Bluetoothとは?

はじめに

Bluetooth は、近距離(無線PAN)通信規格の一つです。低出力で数メートルから数十メートルの間で機器同士を無線でつなぐために用いられます。周波数帯は、無線LANと同じく、2.4GHz帯を用います。

IEEE規格では、IEEE802.15.1規格のこととなります。1994年にエリクソンスウェーデン)が開発したのち1999年にバージョン1.0の仕様書が公表されて以来、バージョンアップを重ねてきています。

エリクソン・ノキア・インテル・IBM東芝・モトローラ・ルーセント・3Com・マイクロソフトの9社が規格化を図り、現在ロイヤルティフリーで流通しています。

また、Bluetooth Special Interest Group(SIG)というコミュニティを持っており、上記の規格化を図った事業体だけでなく、ボランティアの技術者参加が可能であり、メンバーのみに商標を利用させるなど知的財産権の管理をも行っています。

2010年のBluetoothバージョン4.0=Bluetooth Low Energyは、もともとノキアのWibreyを基にし大幅に省電力化を図ったそれまでと大幅に異なる規格です。

4.0以前のバージョンと4.0以降のバージョンでは後方互換性はありませんが、電池の持ちが大幅に改善されたのでより多くの機器のBluetooth化を図ることに成功し、IoT (Internet of thing)技術の中心のひとつとなる技術となっています。

技術的特徴

① 周波数のホッピング
79にわけられた2.4GHz帯の周波数をad hocにホッピングして機器間の接続を保つ特徴を持っているのがBluetoothです。

一定のパターン化された電波が各周波数で流れていて、「つかみやすい」周波数の電波をつかって接続します。低出力の高周波数帯の通信は、安定性には欠ける特徴があり同じ周波数帯を用いる無線LANとの干渉も懸念されます。

しかし、ホッピング方式でカバーすることで機器接続を快適で安定的にできます。このことから、イヤホン・スピーカー・キーボードなど長時間接続を必要とするデバイスの接続ができます。

② ペアリング
Bluetoothで通信を行う機器同士を接続することをペアリングといいます。Bluetoothは電波で通信を行うため、近くにいる無関係な機器と通信してしまうのを防ぐため、一般的には暗証番号によって認証をおこないます。

③ プロファイル
Bluetoothは、機器ごとに「プロファイル」が異なっています。プロトコルのみでは、機器間の相互の探知が困難であり、接続スピードに劣る問題に主に対応するためです。

しかし他方で、ペアリング接続の通信方式の規格であるプロトコルが同じBluetoothでも接続する機器の「プロファイル」と異なるために機器が接続できない事態が起こり、ひいてはPCやスマートフォンのようなハブとなる機器に対して多数の機器をつなぐことを難しくすることにもなりえます。

現在4.0以降のバージョンでは、GATTプロファイル等の汎用プロファイルをベースとしてフレキシブルにアプリケーションソフトウェアでプロファイル設定ができるようになったことから、開発者側にとってあまりこの問題は目立たなくなっています。

しかし、消費者が機器を購入する際には、依然として注意が必要です。

・バージョンと特徴
Ver1.1 普及バージョン
Ver1.2 無線LANの干渉対策を完了
Ver2.0 転送データ速度を約3倍に(EDR 対応の場合)
Ver2.1 ペアリングを簡略化・スリープモードに対応して、電池寿命を5倍に延ばすSniff Subrating に対応
Ver3.0 転送データ速度を最大24Mbpsに
Ver4.0 大幅な省電力対応
Ver4.1 LTEとの電波干渉を抑制
Ver 4.2 セキュリティ強化と伝送速度の改良
Ver 5.0 4.0から伝送速度が2倍に、到達距離が4倍に(最大400m)

・用途
パソコン周辺機器・携帯電話アクセサリ・車載用カーナビ・ゲーム機・スマートウォッチといったおもにモバイル機器に適合性が高いとされています。

課題

Bluetooth4.0 以前の課題と今も残る課題を俯瞰すると、以下のようにまとめることができます。

① 消費電力
この点は、Bluetooth4.0の登場で劇的に改善されました。電池の持ちが悪いことにより、電池切れを起こしたデバイスについて、ペアリングをやり直して、再接続する、といった対応は4.0以降では必要がなくなっています。

② ホッピング時間
Bluetooth 4.0 以降改善された点ですが、当初はBluetoothのホッピング時間が長かったことから、接続遅延を問わないスピーカー・ヘッドホンのような機器向きであるとされてきました。

Bluetooth4.0以降は、パケット長を短くし、79の周波数を使っていたものを40に整理しホッピング時間を短縮したことにより、より多くの機器の接続に向いているとされるようになりました。

③ 無線LAN等との干渉
無線LAN・LTEとの周波数の競合・近接により、干渉が起こることがありますので、5.0GHz帯での利用を行うことが繰り返し検討されています。

ただし、日本では5.0GHz帯は、屋外での利用が禁止され、電波行政のとの調整が課題になります。

セキュリティ
伝送速度が高くなり、情報転送量が増えるとそれだけハッキング・クラッキングの対象として狙われる確率が高くなってきています。この点、現在ではAES-128の暗号化で対応していますが、他の通信方式と同じように継続的な課題と言えます。

まとめ

近距離無線通信として利用頻度の高いBluetoothには、Ver. 4.0 を境に大きく技術革新があり、それ以降より多くのデバイスに利用されるようになっています。

Bluetooth4.0 以前のテレフォニーやPC周辺機器中心のイメージを脱し、車載用電子機器にも便利に使われるようになり、スマートウォッチ・マーケティング調査のツールなどにまで利用の幅が広がっています。

2018年には地球の人口1人あたり4台以上にもなる320億台の端末に登載されるとの見通しデータがあるほどで、IoT時代を開く通信技術の一つとなっています。

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