【IoT用語集】テストベッドとは?

 【IoT用語集】テストベッドとは? – 記事

はじめに

テストベッドとは、新しい技術の実証実験に利用されるプラットフォームをいいます。航空機・宇宙開発・IT分野、とりわけソフトウエア開発の分野で使われる用語です。理論的には完成されている技術を実証する目的や大規模開発で利用される例が典型例です。

もともとは、システムのある部分について他の部分と隔離してテストする場合にテストベッドの用例ないし用語例が多いようです。似たような用語で、サンドボックスがありますが、サンドボックスが、セキュリティ的に安全な場所に隔離してテストを行うことが目的となっているのに対して、テストベッドは仮想ないし理論の世界から「実証」することが目的となっています。

日本では、IT分野で、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)による公開テストベッドのような大規模実証実験のための例がありますが、必ずしも規模の大小は本質的な要素ではありません。

しかし、大規模の「失敗できないプロジェクト」にテストベッドを用いることは、経済的合理性が高いといえます。

システム開発におけるテストベッド

システム開発におけるテストベッドは、前述したようにモジュール・クラス・ライブラリといった構成要素を分離ないし隔離してテストすることを目的としたものです。新しいシステムを開発する際に、構成要素にさらに機能を足すといった状況で、機能や不具合を実証することが課題となります。

フレームワークに依存して実証実験が行われますので大きいシステムの構成要素として動作することが可能です。

テストベッドは、システム開発において、ソフトウエア・ハードウエア・通信モジュールといったコンポーネントを構成要素とします。「テスト環境」と言い換えることが可能です。一般的に、テストベッドにおける通信モジュールは、パフォーマンスの測定を行うソフトウエアと組み合わせて、テストにかかるモジュールのパフォーマンスを測定して、外部にデータを伝送する機能を持っています。

テストベッドは、インターネットの世界においては、パブリックにテストが解放され、書き込みが可能になっているWebページのことを言うことがあります。たとえば、W3Cにより開発されたHTML3 やCascading Style SheetのArena Web Browserのテストページなどはその例です。

航空機・宇宙機としてのテストベッド

航空機やロケット・スペースシャトルなどの宇宙機では、エンジン・航行システムの開発において、実環境におけるデータの収集を目的としてテストベッドと呼ばれる試験機が飛行することがあります。

大気圏・宇宙圏での実証だけでなく、とくに宇宙分野では、地上での実証に使われる試験機もあります。

試験対象に加えて、試験対象をモニターする計測機器なども搭載されることが特徴であり、そのため機内が広い輸送機などが使われることが多くあります。エンジン開発の際は、エンジンを実機よりも多く積む例があり、こうした例では実機との違いが明瞭です。

国内の著名なテストベッド

〇国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の総合テストベッド
NICTは、注力分野にAIIoTビッグデータの活用をかかげ、産学官連携・地域連携・国際協力の実現のために実証実験基盤として総合テストヘッドを公開しています。最先端の通信や、大量のデータ処理については、その性質上、実証実験が大規模になりがちであり、一企業・一研究所が十分な研究開発基盤を提供できるものではありません。

日本では、2000年代前半からクライアントサーバソリューションの実証実験基盤をNICTが提供してきましたが、現在ではクラウドや次世代通信ネットワークなど目的達成のために必要なIT技術に関するテストベッドを総合的に提供するに至っています。

このテストベッドの提供により、低コストで十分な実証が可能になるとされており、企業の大小を問わず、テストベッドを多くの国内ベンダーが利用できる仕組みになっています。
NICTにおいて、現在公開中のテストベッドは次の通りです。

  1. JGN  SDN(Software-Defined Networking)テストベッド 
    ネットワーク機器の機能を、データの分離とネットワーク制御の二つに分離し、制御部分において、コントローラーというソフトウエアを用いてネットワークを構築する技術であるSDNについての実証実験のために、テスト環境を提供するものです。
  2. RISEテストベッド
    プロジェクトで提供されるテストベッドは、SDN技術の一つであるOpen Flow スイッチと仮想サーバから構成されるネットワーク環境から構成されますが、ギガビット規模のネットワークとIPv6環境を擁しており、広域のSDN実証が可能です。
  3. StarBed4
    512台のサーバとクライアントPCおよびネットワークを結ぶ大規模汎用シミュレーターとしてStared 1が始まり、現在のStarBed4においては、IoTに必要なシミュレーション基盤を提供しています。
  4. JOSE 
    分散クラウドネットワーク環境を提供しています。上記のJGN、RISE、Staredと連携して、国外との連携による研究開発も可能です。

まとめ

以上に見たように、テストベッドによる実証テストは、コンピューターシステム開発・航空機等の高いコストがかかるプロジェクトにおいて重要な役割を果たすということができます。

また、IT分野では各事業体間の協力を促進する働きがあるといえるでしょう。NICTの公開テストベッドの動きが特に注目され、日本だけでなく国際間協力についても今後の展開から目が離せません。

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