【IoT用語集】ウインドリバー・システムズとは?

 【IoT用語集】ウインドリバー・システムズとは? – 記事

はじめに

ウインドリバー・システムズは、米国カリフォルニア州のソフトウエア企業です。組み込みソフトウエア、その中でもとりわけリアルタイム・オペレーティングシステムの分野で有名な企業です。WindowsやUnixなどの情報オペレーティングシステムは、リアルタイムでのレスポンスが必ずしも必要ありません。

しかし、ウインド・リバーのVxWorksなどのリアルタイム・オペレーティングシステムは、各種家電製品・機械制御・モバイル分野など、人の指令が即時に機械に伝わらないと意味をなさない分野で目覚ましい実績を残しています。

とくに携帯電話や宇宙開発・自動運転の分野など、この40年のIT最先端を引っ張ってきた組み込みソフトウエアの泰斗の企業の一つです。

企業基本情報

Wind River Systemsは、創業者であるJerry Fiddlerと、David Willnerにより、1981年に創設され、1983年に法人化されました。本社は、米国カリフォルニア州アラメダ、1993年4月に米国株式市場であるNASDAQに株式を上場しました(現在は上場を廃止しています)。

2009年にIntel がWind River Systems を8億8400万ドルで買収し、その後も、独立性をもった子会社として、IoT関連のソリューション開発を進める市場の中心的プレーヤーであり続けています。

2018年になって、今度はTGAへの売却が決まりましたが、今後もCEO Jim Douglasが続投する見込みです。

米国Wind River Systemsの日本法人であるウインドリバー・システムズ株式会社(東京都渋谷区広尾)は、米Wind River Systemsの日本法人として1989年に設立されました。日本市場へのビジネス展開の拠点として組込みシステム開発用のソフトウェア・ハードウェアの販売、開発、メンテナンスおよびコンサルティングを事業として行っています。

主な実績

  1. リアルタイムOSと開発環境の提供
    オペレーションシステムとしてリアルタイムOSである「VxWorks」に加えて、Wind River SystemsはリアルタイムOS・アプリケーションおよび組み込みアプリケーションのための統合開発環境「Tornado」を提供しています。

    アプリケーション開発の標準化と開発の自由度を上げることが目標となる中で、VxWorksは、Linuxへの傾斜を強め、互換性を持ったことにより、目標を達成することができるようになりました。

  2. 総合開発ツールの提供で「開発のエコシステム」を確立
    さらに、総合的な開発ツールWind Power Product Familyを提供しています。開発環境、そしてツール・リアルタイムオペレーシングシステムの提供により、異機種間の標準化・および開発サイクルの短縮を達成し、「開発のエコシステム」を早期に提供・提唱しています。

主な製品

  1. VxWorks 世界シェアNo.1のリアルタイムOS
    世界で最も広く利用されている RTOSであると同時に開発環境を提供しています。アプリケーション開発は、LinuxベースのC言語によることができます。このように、「世界標準」であることにより、開発コストを削減し、生産サイクルを短縮することが可能です。さらに、Javaのランタイムをサポートしており、Java アプリケーションの展開もできます。

    2000年代後半からは、仮想化技術も取り込んでいますので複数のハードウエア・プラットフォームを1つのマルチコアプロセッサーに統合することが可能であり、かつ、その情報処理量と性能からスケーラビリティが高いソリューションを提供できます。

  2. マルチコア対応以降のVxWorks
    マルチコアプロセッサーに対応した高性能・高可用性、そして高安定性を備えたVxWorksは、顧客に高機能デバイスメーカーや航空機メーカー等を擁し、最高レベルの技術水準を必要とする現場で利用されています。例えば、Boeing, NASA, Nothrop Gramman , Siemens, Huawaiなどです。

    VxWorksは、車載用・航空用・宇宙航空技術用の標準リアルタイムOSとして用いられるようになっています。例えば、VxWorks653モデルは宇宙航空技術用に用いられています。スケーラビリティ・安定性に優れていることの所作といえるでしょう。

  3. Wind River Work Bench 開発ツール
    Workbench は、Eclipseフレームワークに基づく、ソフトウエア開発の共通環境を提供する開発ツールです。組み込み開発において、開発時間を短縮する効果を生み出すことができます。ソフトウエア設計・開発、開発後のデバッグ、テスト、および管理を行うソリューションを提供しています。
  4. Wind River Helix Drive/Cockpit
    Wind River Helix™ Drive は、ドライバーに対する運転支援車載システムの基盤です。安全性能を引き出す電子制御部品にこの製品が利用されます。Wind River Helix Cockpitはコネクテッドカーのための車載ソリューションを提供しています。

    主にインフォテイメント・道路設備との通信等、車載通信基盤を提供します。この2製品で自動運転市場における成功への展望が広がっています。

まとめ

リアルタイムOSのシェアとカバーするデバイスの範囲からWind River Systemsは、まさにIoTの時代になくてはならないキープレーヤーということができます。すでにWind Riverの製品は、10億台以上のデバイスに組み込まれているといわれており、またセンサーデバイスとのWind River製品群の組み合わせも定評があります。

今後IoTデバイス数が2020年には、20億台を突破する見通しであることや自動運転技術の一翼を担うテクノロジーを提供していることにより、その動向にますます注目が集まります。

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