【IoT用語集】Z Waveとは?

 【IoT用語集】Z Waveとは? – 記事

はじめに

Z Waveとは、デンマークの企業、Zensys(のちにSigma Designsに買収された)とZ Waveアライアンスとが開発した通信プロトコルです。Hems(Home Energy Management System)やその他のホームオートメーション、センサーネットワークといった長時間運用を必要とするIoTソリューションに向いた通信プロトコルとして誕生しました。

欧米では普及が進んでおり、開発普及団体のZ Wave アライアンスが認証商品を市場に送り込んでいます。いわゆるLPWA(Low Power Wide Area)通信プロトコルの一種で、特にZigBeeとは類似点も多くなっています。

Z Wave アライアンス

Principalメンバーとして、ADT、Evolve Guest Controls、FAKRO、 Ingersoll-Rand、Jasco Products、LG Uplus、Nortek Security & Control、Sigma Designs Huawaiを擁し、現在日本メーカーも含め350社以上が参加している標準化団体です。

世界で2,400以上の認定商品があり、日本市場においても通信各社のホームゲートウエイ、各電気メーカーのセンサー等、入手可能な認定商品が増加しています。

規格

周波数: SubGHz帯を利用しています。これは、WiFi環境の中でも混線せずに通信する周波層として920メガヘルツ帯を利用しているためです。SubGHz帯は、各国の法律により細かく分かれていて、米国は902M~928MHz、EUは865M~868MHzが利用でき、日本では2012年の周波数整理により規制緩和後、920MHzが利用可能です。

  • 通信速度: 9.6 Kbit/s または 40 Kbit/s
  • 変調方式: GFSK
  • 距離: 最大約 30メートル

特徴

  1. 混線しにくい
    920メガヘルツ帯を使用しているため無線LANや電子レンジなどとも混線がしにくいとされています。
  2. 機器間通信が可能
    Z Waveに互換性のある製品は、機器同士がルーティング可能になっています。4回のホップが可能です。ルーティングが可能なことと、コーディネーターノードが存在しないことにより、メッシュネットワークを構成可能です。

    コントローラ1台で232台の機器と接続が可能となります。このことから、最大伝送距離が30メートルといっても、これは、1台の機器によるものですのでメッシュネットワークにより多数のデバイスを接続するとさらに距離を延ばすことが可能です。

  3. 省電力で長期間の運用が可能
    Z Waveの当初の開発目的がこれです。
  4. 低レイテンシで通信が安定している
    低レイテンシ=待ち時間が短いということを意味します。
  5. 互換性が高い
    2,400もの認証商品がありますが、現時点のホームオートメーション関連の通信プロトコルとしてはこの点で最強と言われています。

ZigBeeとの違い

同じくメッシュネットワークを構成可能で省出力・長期間運用が可能なホームオートメーション用通信プロトコルとしては、ZigBeeが挙げられます。ZigBeeとの相違点をあげると、下記の通りです。

  1. 周波数
    SubGHz帯を利用するZ Waveに対して、ZigBeeは、2.4GHzも利用します。
  2. 互換性の高低
    Z Waveがアプリについて完全に互換性を持つのに対して、ZigBeeの互換性は限定的です。これは、Z WaveのRFチップがすべてSigma Design社の一社独占であるのに対してZigBeeの場合、各社のアプリに互換性を持たせるかどうかは、通信用のチップも異なり、各社の判断によるものだからです。

用例

以下に日本市場でのZ Waveの用例を紹介します。

  1. LIVE CONNECT(ライブコネクト)株式会社Z-Worksのソリューション例
    ・自宅用見守りIoTキット
    Z-Worksが開発したIoT導入支援プラットフォーム「Z-Works Life Engine」を応用した自宅見守りIoTキットがこのLIVE CONNECTです。

    人の動き・室内温度・鍵の閉め忘れ・ドアの開閉や、被介護者の尿・体温・心拍・汗などを感知するセンサースマートフォンやタブレットアプリと連動し、自宅や遠隔地の家族の見守りも行えるようにします。

  2. CONTE ホームサービス 株式会社ピクセラ
    株式会社ピクセラは、IoTホームオートメーションのCONTE ホームサービスを提供していますが、このサービスで利用されている通信プロトコルがZ Waveです。

    子供・ペット・高齢者の見守りサービスのほか、スマートロック・防犯カメラ・ドアの開閉センサーなどのIoTソリューションを提供しています。

課題

〇セキュリティの強化と新しい脅威
Z Waveは、規格のバージョンアップを図るとともに2017年から、S2準拠=新しいセキュリティ規格に準拠することを認定の要件としました。

Pin Codeの入力・ECDHの採用・TLS 1.1によるトンネリングといった要件により、サイバーセキュリティの脅威はいったん遠のいたように見えました。ホームセキュリティソリューションがもしも悪用されれば、プライバシーが外部に筒抜け・実生活での犯罪の恐怖にさらされてしまいます。

しかし、今年になって、スマートキーの利用中にハッキングされるリスクが生じているといった事態が生じ、改めてIoT向け通信の安全性が問われる事態となっています。

伝送する情報量と速度を押さえて省電力で運用することを主眼とするLPWA全般にセキュリティは課題といえ、先発であって、実用例も多いZ Waveが課題をどうやって克服するか関心が集まるところです。

まとめ

Z Waveは、現在IoT用の通信プロトコルとして最大数の認証機器を擁し、今もなお認証機器は増え続けています。日本での普及が利用周波数のために遅くなってはいますが、日本市場でもホームゲートウエイ端末に認証機器が通信各社から発売されていることから、今後の展開次第で普及率が高くなっていくことも考えられます。

より付加価値のあるソリューションを提供できるか、そして、セキュリティの課題を克服できるか今後の展開が注目されます。

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