【IoT用語集】会話エンジンとは?

  【IoT用語集】会話エンジンとは? – 記事

はじめに

会話エンジンとは、文字入力や音声入力で得た情報をもとに会話ができるようにされたプログラムやアプリケーションソフトウェアのことを言います。

多くの場合、AIにより機械学習ディープラーニングが付加され、あらかじめプログラムされた会話内容だけでなく、学習により会得した内容の会話を生成することができます。

会話エンジンの種別

会話エンジンには、あらかじめ会話内容がインプットされたボット型と自動生成するAI会話型エンジンとがあります。これらの違いは、機械学習なしのリトリーバルモデルによるものか機械学習ありのジェネリックモデルによるものかの違いとなります。それぞれのモデルの仕組みについて見てみましょう。

〇リトリーバルモデル
ボット型の会話エンジンは、このモデルによります。ルールと会話内容のインプットをあらかじめしておきます。決まった質問に対して決まった回答を返します。

  • 会話の流れ
  • ユーザから音声またはテキストでシステムに入力
  • 会話システムの中で、ユーザの入力データを解釈
    入力データのマッチング・検索 ゆらぎ検索など高度な検索によるものもあります
  • 入力データにあわせて内部状態の更新 
  • レスポンスの決定
  • レスポンスの出力 
    分野により外部API・DBとの連携をし、より高度な会話を行うものもあり、分野により依拠するDBを変えるものもあります。

〇ジェネリックモデル
リトリーバルモデルの要素にさらに人工知能をつけているものです。基本的には、会話内容をパターン認識していない初期状態からフルスクラッチで会話を生成する会話エンジンです。ユーザのインプットをいったん人工知能が解釈可能な形に変換し、再帰型ニューラルネットワークにより、少しずつユーザの会話内容への対応の確度を上げていきます。

こうした会話の生成は、ディープラーニングのような高度な機械学習により可能になることです。実際には、ディープラーニングによってもなかなか意味のある会話を成立させることが難しいので外部API・DB連携により、適切な意味の文章を拾い、調整をかけることが低コスト・実用性を保つためには必要とされています。

〇オープンドメインとクローズドドメイン
会話エンジンには、会話のジャンルを限定しないオープンドメインの会話エンジンとクローズドドメインの会話エンジンがあります。たとえば、航空会社などのWeb上に見られるチャット会話エンジンは、サービスまたは、質問の種別によりあらかじめ答えが用意されているクローズドドメインの会話エンジンです。

これに対して、ジャンルを問わない場合でも学習機能により話者に対して調子を合わせていくことができる人工知能付きの会話エンジンは、オープンドメインの会話エンジンです。こうした特徴から、オープンドメインの会話エンジンに小説を書かせたり、架空の歴史を書かせたりする実験も行われています。

リトリーバルモデルの会話エンジンは、オープンドメインの会話エンジンに機能的に対応できないためすべてクローズドドメインに分類されます。

また、人工知能付きの会話エンジンであってもゼロからフルスクラッチで会話を生成するのは学習スピードの面からまだ現実的とはいえないことは前述の通りです。そこでクローズドドメインの会話エンジン同様、外部DB等の力を借りる例が多くなっています。

会話エンジンのソリューション 主な実例

クローズドドメイン・リトリーバルモデルの会話エンジンは、チャットボットなどに多く見られる一方で、すでにソリューションの主流はAIを用いた会話エンジンとなっています。すでに多くの会話エンジンソリューションが市場に出回っていますが、以下に主だった事例を見ていきます。

  • IBM Watson
    現在Watsonには、二種類のAI会話エンジンソリューションがあり、1問1答形式のWatson NLCと、会話から新しい質問を生成することのできるWatson Conversationとがあります。
  • Dialogflow 旧称 api.ai
    Google傘下のAI会話エンジンです。Googleの保有する大規模データセンターとビッグデータを背景にして自然言語の解析の制度に特筆すべき強みがある会話エンジンとなっています。
  • Microsoft Language Understanding Intelligent Services (LUIS)
    マイクロソフトの検索エンジンであるBing がバックにあることが強みで、より適切な会話を可能にします。
  • CAIWAエンジン
    国内で最も歴史の長い会話エンジンですでに20年の歴史があります。自然言語、なかでも日本語の解析能力に強みを持っています。
  • TAISHIⅹ Pepper
    アドバンスドテクノロジーラボとソフトバンクロボティクスのペッパーによる接客ロボットソリューションです。すでに沖縄銀行やスーモカウンターで接客を行っています。

まとめ

すでにカスタマーサービスの場面で多数が利用されているボット型会話エンジンのほか、最先端技術であるAI会話エンジンもすでに接客などの複雑な人間の活動に向けて提供されています。

会話エンジンは、今後の少子高齢化が先鋭化する日本市場で大いに注目される技術であり、介護・医療・教育等応用分野の広がりに期待がかかります。

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