【IoT用語集】加速度センサーとは?

IoT用語集】加速度センサーとは? – 記事

はじめに

加速度センサーとは、ある物体の加速度を検出する装置のことです。加速度センサーは、1秒間にどれだけ加速度が変化するかを検知することができます。原理として加速度センサーは、ばねとおもりを一体にした時の重りの位置で速度の変化を計測することに依拠しています。

使われている場面として代表的なものを簡単にあげるとスマートフォンやゲーム機では、画面方向の切り替えや手の動きを検知するために使われています。エアバッグが衝撃を検知して作動するのも加速度センサーの働きによるものです。

近年では、MEMS (Micro Electronics Mechanical System)のような小型のセンサーを必要とするIoTデバイスでもよく利用されます。

加速度の算出 原理と機械的計測方式

力と加速度の関係式であるニュートンの運動方程式ma=F(F=力、m=質量、a=加速度)力と変異の関係式であるフックの法則F=kx(F=力、k=ばね係数、x=変位)を用います。これらの二つの式から、a=kx/m の式が成り立ちます。

このようにして変位が大きくなる場合は、加速度も大きくなることから「ばねがどれだけ変形したか、その位置を確かめると加速度が算出できる」との関係が導かれます。加速度センサーは、このばねの原理を応用したものです。ばねによって加速度を図る機械的方式による計測が原理をよく表しています。

機械的方式以外の加速度の計測

上記の原理の応用から計測方式は、次のような方式がとられます。

  • 振動を用いる方式
  • 光学的方法を用いる方式
  • 半導体を用いる方式 

とくにMEMSによるものはこの方式を使うものがほとんどです。

  • 静電容量の変化を応用する方式
  • ピエゾ抵抗素子を用いて、電気回路によって増幅・計測する方式
  • ガス温度分布方式
  • 検出軸数

1軸から3軸までがあります。位置の計測を何軸によって行うかにより加速度の計測制度が異なってきます。例えば3軸のものですと、数グラム単位の検出が可能になります。

ジャイロセンサーとの違い

加速度センサーと似たような機能をもつセンサーにジャイロセンサーがあります。加速度センサーは、1秒間にどれだけ加速度が変化するかを検知することができます。これに対して、ジャイロセンサーは、1秒間にどれだけ角度が変化するかを検知することができます。検出する対象が違います。

また、加速度センサーは、ばねとおもりを一体にした時の重りの位置で速度の変化を計測することがその原理ですが、ジャイロセンサーは転向力を用いて回転する際の角速度を計測することがその原理です。このように、計測の原理も違います。

しかし、次に詳しく見るように、用途が同じであることが多いことや用いられるデバイスの種類が似通っている点から、混同されることが多々あります。また、位置情報の提供のためには、二つのセンサーを組み合わせて用いるのが効率的であって技術的にも近接している傾向にあります。

加速度センサーの用途

  • 身近な加速度センサー
    私たちの生活の中では、加速度センサーとジャイロセンサーが組み合わされカメラの手ぶれ補正装置・スマートフォン・VRないしARゲーム機・スマートウォッチなどに利用されています。

    また、人間の走る・泳ぐ・山を登るといった動きについて、歩数・スピード・標高等を計測する技術の核も加速度センサーとジャイロセンサーです。これらのセンサーにより、人間の「振る・傾ける」という単純な動きを正確に検知できます。

    さらに、IoTの発展の中で、MEMSの一部として、天候・気象や生物の生育状況等を計測するためジャイロセンサーが用いられる例があります。

  • モビリティと加速度センサー
    カーナビも、加速度センサーとジャイロセンサーの組み合わせで動作し、位置情報を提供します。今後、自動運転のセンシング技術にも加速度センサー・ジャイロセンサーが多用されていく見通しです。

    加速度センサーとジャイロセンサーの組み合わせを航行位置の安定という目的のために使っているのがドローンです。航空用の電子部品にも加速度センサー・ジャイロセンサーの組み合わせが多用され、位置の計測・速度計測に利用されています。

  • 加速度のみを計測する用途
    これらのジャイロセンサーと加速度センサーの共通の用途に対してもっぱら加速度センサーの機能を生かしているのが、地震や津波の検知・ハードディスクやエアバッグの衝撃検知です。また、エレベーターの衝撃検知・緊急停止システムも加速度センサーを使ったものです。
  • まとめ

    以上にみるように加速度センサーは、私たちの身近なデバイスや交通関連に多用され、生活に密接な関係のあるセンサー技術です。振動・位置の計測・人の動きのモニタリングに用いることが可能であることから今後医療やドライバーモニタリングなどの応用にも期待がかかります。

    一方で、MEMSに見るように、精度を高めるための技術開発も行われていることから応用・研究開発の双方に関心が集まる技術の一つです。今後の動きが注目されます。

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