【IoT用語集】スマート・トランスポーテーションとは?

IoT用語集】スマート・トランスポーテーションとは? – 記事

はじめに

スマート・トランスポーテーションとは、ICTにより運輸サービスに付加価値を加えて、より便利なサービスを提供するソリューション群・サービス群をいいます。IoTや、DB・クラウド・ICタグなど、いくつかのITソリューションの組み合わせが必要とされます。

スマート・トランスポーテーションの必要性

スマート・トランスポーテーションは、かつては新しい道路・交通機関を建設することにより解決してきた問題を解決するソリューションという側面がありました。

しかし、現代において、新しい道路・交通機関といった交通インフラを増強することは、用地や人口増などがあり、ますます困難になってきています。

とくにアジアや自動車が主な通勤・通学の手段である米国などの大都市は、渋滞や公共交通機関の輸送量の絶対的な不足といった問題に苦しめられていますが、これを解決するのに建設や雇用を増やしてもなかなか追い付かない実情もあります。

つまり、ICTで問題解決を相対的に低コスト・短期間で達成するべきケースが世界全体で増えており、ITベンダーの取り扱う大型スマートトランスポーテーションプロジェクトも盛んになっています。たとえば、タクシーの台数が限られているなかで効率的な配車を可能にしたUberなどは、その代表例です。

車を中心にしているスマート・トランスポーテーションだけでなく、バイク・自転車・歩行者など、極めて大量の個体データを扱うスマート・トランスポーテーションもあります。いずれにしても、ビッグデータをIoTデバイスで取得して、クラウドに格納、分析して利用することが可能になった現在、スマート・トランスポーテーションの可能性が広がってきています。

スマート・トランスポーテーションの実例

例えば、一枚のプリペイド式カードで市内のすべての公共交通機関を利用可能なシステム・輸送機関の安全を港湾・鉄道・鉄道すべて遠隔監視しながら相互の交通管制を可能にするシステム・サイクルシェアシステムを鉄道とつなげるシステムなど様々なアイディアとソリューションがすでに実用化されていますが、すべてこれらは、ICTが可能にしている例ということができます。

スマート・トランスポーテーションの分類

スマート・トランスポーテーションは、下記のとおり、ソリューション別に分類することができます。

  • 発券管理-市内の公共交通機関をICカードによって種別を問わず利用することが可能にするシステムが代表的です。日本でもSUICA,PASMOなどのカードが著名であるほか、世界中の大都市に整備されつつあるスマート・トランスポーテーションのソリューションとなっています。
  • 駐車管理-公共施設の駐車場に整序よく誘導するシステムが各国で整備されつつあります。とくに、オリンピックのような国際大会会場とその周辺・高速道路のパーキングエリアなど繁忙期・閑散期が極端である公共施設に、有効なソリューションとして知られています。
  • 統合観察-貨物輸送の追跡・コンテナ輸送手段の調達のように、交通の種別を横断して、輸送のトレーサビリティとクオリティを確保するためのソリューションです。ICタグ・カメラ・センサなどにより大量のデータを取得管理して時系列に合わせて整理するDBやアプリケーション・ソフトウエアが利用されます。

    ICTによる進化した物流のことを、スマート・ロジスティクスということがありますが、この場合、スマート・トランスポーテーションが一つの重要な構成要素となっています。

  • 交通管理-交通の安全性・円滑性の確保のため、あるいは、交通に利用されるエネルギーの管理のため通信システムとアプリケーション・ソフトウエアの組み合わせを利用します。例えば、渋滞の解消・事故予防のための信号の制御・燃料ないし電力制御などの実例を世界各地で見ることができます。

スマート・トランスポーテーション市場

スマート・トランスポーテーション市場は、個人向け市場がこの10年ほどで急速に発展しています。一説には、2020年までに市場規模が1兆ドルに到達するといわれています。既存タクシーの配車システムや、Uber・Grabなどの配車サービスなどが代表例です。

また、ICカード式乗車券による交通費の一元化も個人向けサービスといえ、これらのサービスが大都市の風景を変えたとまで言われるインパクトがあります。米国だけでもICカードの発行枚数は、2020年には5億に到達するとみられており、また、位置情報サービスのデバイスは350億個となることが見込まれています。

これに対して、企業向けの大規模サービスは、貨物輸送が中心に発展しており、コネクテッドカーや道路でのIoTの普及がこれからといったところです。自動運転に向けたサービスの普及発展動向に注目が集まっています。

まとめ

スマート・トランスポーテーションは、すでにそのサービスが個人向けには普及し、先進国やアジア地域においては、すでに成熟市場とみられる向きもあります。

しかし、今後ロシア・南米・アフリカでもその動きを追うものとみられるほか、新興都市にもこれらのサービスの普及が見込まれます。さらに、自動運転関連技術の発展からも目が離せず、今後もホットなバズワードであり続ける見通しです。

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